いつもでコッコ日和 第3号

鶏社会も人間社会も、色々あります…

 現在COCCO相木にいるコッコ達は少数の2年目の子たちと大多数の1年目の子たち(すでに成鶏なので“子”というのもおかしいのですが)。それぞれ5月と6月に生まれたてのヒナから育てています。2年目のコッコ達は試し飼いで数も少ないので同じ鶏舎にいますが、1年目のコッコ達はまとまった数で導入しているので、それぞれ別の鶏舎で飼っています。

 2年目のコッコ達は数も少なかったので、特に大きな問題もなく成長しました。しかし1年目のコッコ達は大きな集団のため、色々問題が発生しました。まだ小さい頃には一団がかたまってしまって眠るため、真ん中の子たちが十分に呼吸できずに病気になったり圧死したり…残念な事がありました。そして大きくなってからはいじめの問題。コッコ達は集団の中で順位をつけるので、下位の子たちは色々ストレスを抱えてしまいます。中でも餌を十分に食べられなかったり、突かれたり。

 小さい頃には成長差もないので順位もありません。でもコッコ達の性格はさまざま。食に貪欲なコッコもいれば砂浴びなど身繕いに精を出すコッコ、のんびり屋さんや常にせかせか動き回るコッコ、そしてリーダー格のコッコ等々。成長するにしたがって食欲旺盛なコッコ達とのんびり屋さんのコッコ達との成長差は大きくなります。そして順位付けが始まり、いじめ問題が発生するのです。

COCCO相木では個体差によって餌が食べられないことがないよう、ある程度大きくなってからは餌箱は使わず、鶏舎の中の広い範囲に餌をばらまくようにしています。これは床をうまく発酵させるためにコッコ達にまんべんなくかき回してもらう為もありますが、小さい子たちも周りに気を使うことなく餌が食べられるようにする為ということも重要な目的。

また、鶏舎だけでなく、それ以上に十分な広さのある庭で放し飼いしていることもいじめ対策のひとつ。コッコ達は自由に外に飛び出し、いじめっ子たちから離れてのんびりと過ごすことができます。

 ここまで対策しても、どうしてもいじめられる子たちが出てきます。COCCO相木ではどうしても集団になじめない、いじめられて落ち着かない子たちのために避難小屋を設けています。昨年秋にはこの避難小屋に入っていたコッコ達は8羽ほど。他の鶏舎以上に広いスペースでのんびりとリハビリしていました。基本的に避難小屋に来る子たちはのんびり屋さんなのでリラックスした雰囲気なのですが、それでもこの中で取り仕切る子が出てくるというのも、何か人間社会を見ているようで複雑な気持ちになりますが…。

 避難小屋で特別食を含め多めの餌を与え、ゆったりと過ごしているうちに、避難鶏たちも徐々に体が大きくなり、やがて避難小屋を卒業していきます。元の鶏舎に戻ると、はじめはちょっとおどおどして落ち着かない様子ですが、やがて集団に溶け込んでいきます。今ではどのコッコが避難小屋出身の子たちなのか区別がつかない子もいます。

 そして最後に残った2羽。1羽はすばしっこいものの食にあまり興味がなく、性格もちょっとおどおどした子、もう1羽は食も細く引っ込み思案でめちゃめちゃ怖がりな癖に内弁慶なところもあるオス。

いよいよ先日、鶏舎に戻しました。メスの方は1週間ほど、昼間でも止まり木に止まっておどおどしていましたが、なんとか馴染んでいきました。でもオスの方は、その集団のリーダー格のオスに襲われ、また他のメスたちにも追い掛け回され、止まり木から降りることなく、ついには突かれて流血騒ぎになってしまったので、やむなく避難小屋に戻しました。今では彼は避難小屋でコッコッ、コッコッ、内弁慶らしく独り言をつぶやきながら、そして時には消え入りそうな鳴き声を上げながら、1羽で暮らしています。避難小屋は育雛小屋でもあるので、近いうちに彼用の庭と小さい鶏舎を作り、のんびり過ごしてもらおうと思っています。その様子はまたこのコッコ日和でお知らせします。

養鶏業者のホームページで、鶏たちは厳しい縦社会で順位を付けるので、平飼いや放し飼いにすると餌を食べられない鶏たちが出てくる、ケージ飼いがいじめをなくし平等に餌を与えるためには必要、との説明を見ることがあります。これについて是非をコメントする立場にはありませんが、COCCO相木では自由を奪うことが最大のストレスの原因と考え、自由に動き回れる環境を確保した上で、どのように集団生活でのストレスを軽減していくかが大事と考えています。避難小屋から鶏舎に戻ったコッコ達も完全にいじめから解放されたわけではないと思います。彼女らが少しでもストレスから解放されるよう、これからも追求していきたい、そして特殊な例ですが、避難小屋から卒業できない避難鶏の彼についても、これからも紹介していきたいと思っています。