いつでもコッコ日和 第16号

9月に入って急に涼しくなってきました。先日はこの養鶏場で最低気温7度ほどまで下がりました。今年は季節の移り変わりが早いような感じです。コッコ達にとっては過ごしやすい季節の到来です。

今年の夏は例年にないほどの暑さで…コッコ達はかなりばてていた様子でした。鶏は羽毛をまとっているせいか寒さにはめっぽう強いのですが暑さにはとことん弱い生き物です。標高1,000メートルを超えるここ北相木村(養鶏場は1,100メートル位のところに位置しています)でも30度超えの日がかなりありました。また、例年では真夏の日中でも日陰で風が吹けば結構涼しいのですが、今年は日陰でもうだるような暑さでした。標高が高いので日向は日差しが強烈で、コッコ達は日中はなかなか日向に出ることができないようでした。そこで急遽、もらってきたよしずで日陰を作ると、コッコ達はこの日陰に避難をしていました。それでも外で地面をつつきたいコッコがいて、体の熱を放射するために羽根を広げ、嘴を開けてハァハァしながら、地面を突いていました。

夕方は緑餌タイムで、刈ってきた草を庭にばらまきます。コンテナいっぱいの草を積んだ軽トラを庭の脇に止めると、緑餌タイムを察したコッコ達が飛んだり駆けたりして一斉に集まってきますが、ジリジリと照りつける日差しに、慌てて鶏舎に逃げ込むコッコ達がかなりいたほどでした。早めに日陰になる場所にあるので、日陰になってからゆっくり草をついばんでいました。

雨の日には、そこまで濡れても外に出るか?と思うほど、今まで外遊びができなかった憂さを晴らすかのように、全身びしょ濡れになりながら外でついばんでいたりしました。

9月中旬、日中はまだ多少暑さは残るものの…空気は明らかに秋のものに変わってきています。今は空が白みはじめるのが5時頃。周りがはっきり識別できる位に明るくなるのが5時半ちょっと前。一番早かった時期は4時半にはすっかり明るくなっていたので、1時間以上遅くなりました。明るくなるころに鶏舎の扉を開けます。『コッコ日和』のサブタイトルにあるように“朝になればコッコ達は庭へと飛び出す”…まさにこの風景と同じように、コッコ達、ピヨ達は一斉に庭に飛び出してきます。鶏舎の中も、一般の平飼い鶏舎に比べても十分に広いはずなのに、やはり、鶏は外へ出たいんだなと実感します。ほとんど鶏舎に残らない位みんな外に出て、前日に食べ残した緑餌をつついたり、地面をつつき始めたりします。その後、餌を鶏舎内に撒きますが、一通り食べたあとは、産卵するコッコを除き、みんなまた外へと繰り出します。

一番日が長かった時期は午後7時半過ぎでもまだ周りが見える位に明るかったのが、今では6時過ぎるともう鶏は自由に動けないほどに暗くなります。それでもまるで時間を惜しむかのようにぎりぎり見える時間までコッコ達は外で地面をつついています。

そんなこんなで、すっかり暗くなってみんな鶏舎に入り止まり木に止まって眠る頃、ようやく扉を閉めて、COCCO相木の1日が終わります。

 

 

これからさらに日が短くなり、冬至の頃には明るくなるのが7時近く、暗くなるのが午後4時半頃になります。寒さにはめっぽう強い鶏ですが、虫がいたり、緑餌がふんだんに食べられたりといったことを考えると、これから11月前半にかけてがコッコ達にとって一番過ごしやすい季節なのでしょう。それ以降は外に出ても虫も草もない凍てつく季節になってしまいます。この最適な季節に、でいるだけ外で思う存分地面をつつき、思う存分草を食べられるよう、お手伝いをさせていただきますよ。