いつもでコッコ日和 第23号

今年もこんな養鶏目指していきます…

少数羽から鶏の試し飼いを始めてから2年半、卵の販売を開始してから1年が経ちました。おかげさまで昨年はふる里卵を売り残すことなく、皆様に食べていただくことができました。

令和元年5月6月から試しにヒヨコを10羽ずつ飼い始めました。初年度は少数羽ということもあり大きなトラブルなく順調に育っていきました。

ただ餌に何を入れ、それをどこから仕入れるか、そしてその配合割合など、はじめは試行錯誤の連続でした。餌の配合を変えた場合、卵に変化が出始めるのが早くて3~4日後、黄身などは10日近くかかります。配合を変え、卵の変化を見て、また配合を変えて…。体に対する影響を見るには半年・1年とかかります。

餌以外にも、鶏舎の作りや庭の配置などなど、書籍で得た知識と、実際に行ってみての現実との差に戸惑う日々でした。このコッコ達が産んだ卵は、どの位の期間安全に食べられるかなどの調査を兼ねて家で食べたり、知り合いに配ったりといった消費をしました。

翌令和2年には5月6月と100羽ずつヒヨコを仕入れ、本格的に養鶏が始まりました。100羽ずつということで初年度にはなかった数が増えたことによるトラブルが発生しました。一番苦労したのがヒヨコが夜にかたまって寝ることによる圧死などです。育雛舎に置いた藁の中に蛇が住み着いてしまい、ヒヨコが食べられるという被害も発生しました。

夜にいかに塊になって寝ないようにさせるか、止まり木で寝る訓練をどのようにするか、成長過程に合わせた餌の配合、緑餌の大切さ、育雛舎から成鶏舎に移すタイミング、庭に出すタイミングなどなど、まだまだ学ぶことはたくさんありました。

昨年1月からはいよいよふる里卵の販売を開始。安全安心なのは当然として、その上でいかに魅力ある商品として売っていけるか。夏場は野菜を育てていますが販売は農協に委託しています。商品をうまくアピールして販売することの難しさがありました。余らないよう、足りなくならないよう…。

養鶏に対する考え方をうまくお伝えすることも大切で、これが商品の魅力にもなるのかなと思います。まずはコッコ達の健康。元気なコッコをそだてることを第一に目指し、結果的にそのコッコが産んだ卵が安全安心で美味しいと思っていただけるお客様にお届けすることができれば良いかなと思います。

 

薬剤に頼らないのは良いとして、それではどうしても病気になった場合に回復できないコッコが出てしまいます。今年は、コッコ達の健康をさらに追及し、病気になったときの対処法をもっと学んでいきたいと思っています。

ここ何年かいろいろと養鶏のこと、鶏のこと、卵のことについて調べて学んできました。大規模養鶏場と自然養鶏、それぞれ根拠としている知識に決定的な違いがあります。

 

たとえばクチクラ層。これは卵の表面を覆って外部から有害物質の侵入を防いでいるものですが、自然養鶏では卵の鮮度を保つためにこのクチクラ層を壊さないよう無洗卵としますが、大規模養鶏ではサルモネラ菌などを取り除くために洗浄液を使ってクチクラ層ごと洗浄して落とします。

たとえば鳥インフルエンザ。感染が確認されたら全羽処分されますが、中にはウイルスに抵抗力のある鶏たちもいるはず。自然養鶏は解放鶏舎であったり放し飼いをしていたりと、ウイルスが入り込む可能性は高いはずですが、感染確認されるのは外気から遮断されたウインドレス鶏舎ばかりなのはなぜか。昨年は感染が広がり全羽処分したことで卵が足りなくなったり、ヒナの供給がひっ迫したりしました。

感情論ではなく、科学的根拠に基づいて本当のところはどうなのか、正確な情報をお伝えできるよう専門家や全国の自然養鶏農家と連携しながら探っていきたいな、などと考えています。

 

まずは一歩一歩。お客様に満足していただける、食卓に美味しい、楽しいを届けられるよう今年も頑張っていきたいと思います。